【長編】FOUR SEASONS

「やめておけ。おまえたちでは私には敵わないよ。」

「…っ、このやろう。こっちのほうが人数は多いんだ。負けるはずねぇだろうが。」

あたしを捕らえている2人と先生が腕を掴んでいる1人、その他にも周囲に6人ほどの仲間らしい同じ制服の学生がいる。

確かに人数では分が悪い。

せめて、あたしがこの人たちから逃げる事ができたら、先生をこんな事に巻き込まなくて済むのに…。


そう思っていたとき…


「ゆうかーっ!優華!無事かっ?」


誰よりも聞きたかった、待ち続けた声。

駅のほうから先輩が血相を変えて駆けて来るのが見えた。