【長編】FOUR SEASONS

佐知子を締め上げる手は怒りに震え、締め上げる力は更に強くなっていく。

だが、俺は怒りで感情のセーブはもう利かなかった。

「……ぅ…孝…宏が悪いのよ。あたしは…本気だったのに…。」

「だったら優華じゃなく俺に直接手を出せばいいだろう! 
優華に指一本でも触れてみろ。絶対にお前を許さない。
言えっ! 優華に何をするつもりなんだ。
おまえが一人で出来ることじゃないはずだ。
仲間がいるんだろう? 言えよっ!
殺されたいのかっ!!」

「…っ…くぅ…くるし…。
わか…ったから。言う…。離し…。」

わずかに手の力を緩め開放してやると、ホッとしたように息を継ぎ、先ほどまでの脅えた表情が嘘のように、不適に口元を吊り上げた。