【長編】FOUR SEASONS

「そんな事言わないで、行こうぜ。ほらっ」

グイッと一人があたしの腕を強く引き、後の二人が取り囲むようにして背中を押す。

大柄な3人に取り囲まれて、ズルズルと引きずられるように学校とは反対の方向へと追いやられる事に恐怖を感じる。

助けを呼ぼうとしたそのとき、大きな手があたしの口を塞いだ。

「声を出されると困るんだよねぇ。
秋元にはちょっと借りがあるし…。
まあ、楽しませてもらうよ、色んな意味で…ね。」

喉を鳴らしクックッと笑う低い声に悪寒が走る。

この人たちと先輩を接触させる訳にいかないと、本能が警告を発している。


何とかここから逃げ出さなければ―――


「逃げ出そうなんて考えないほうがいいぜ。
佐知子の時くらいじゃ済まない怪我をすると思えよ。」