【長編】FOUR SEASONS

「いやあ、こんなトコで出会えるなんて偶然だなあ。
俺たち今から学校フケて遊びに行くんだ。
ちょうど一緒に遊んでくれる女の子がいないか捜していたんだ。」

ニヤニヤと笑いながらジリジリと近寄ってくる顔を睨みつける。

無理やり先輩と引離されそうになった、あの夏祭りの夜の情景が甦ってきて、全身が恐怖で固まっていった。

「あたしはあなたたちと一緒に遊びに行くつもりなんかないわ。
声をかける相手を間違っているわよ。」

手の震えを強くカバンを握り締める事で誤魔化して、凛と男子生徒たちを睨み言い放つ。

大丈夫。

きっともうすぐ孝宏先輩が来てくれるはずだ…。

それまで一人で持ちこたえればいいのよ。

先輩はいつだってあたしを護ってくれるから…。

きっと来てくれる筈だから―…。