「………」
「優華、聞いてるか? 意識がどっか逝ってるぞ。」
「…婚約? 誰と誰が?」
「優華と俺が。」
「えっと…あたしは誕生日で16才だけど、先輩は17才になるんですよね?結婚なんて…。」
「だから婚約なんだってさ。
優華に振られて俺がまた昔みたいに荒れやしないかって心配してるんだろうな。
結婚の約束を取り付けてしまえば優華に逃げられないとでも思ってるんじゃないか?
バカだよな。俺が優華を離すわけ無いのに。」
そう言って、先輩はあたしをギュッと抱きしめる。
頭が混乱して目眩がしそうだ。
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