「優華~~!!すごかったよ。凄く綺麗だった。鳥肌が立っちゃったよ。」
着替えを済ませて受付に降りていくと、ちょうど客席からロビーへ出てきた麻里亜が、あたしを見つけて飛びついてきた。
ありがとうと答えて、そのまま麻里亜をギュウッと抱きしめる。
その様子を見てクスクス笑いながら、近づいてくる目立つ長身の男性がいた。
麻里亜の後ろから後を追うように近付き、優しく微笑んで大きな花束を差し出してくれる。
「あ…、ありがとうございます。先生来てくださったんですね?こんなに大きな花束頂いちゃって良いんですか? すごく綺麗…うれしい。」
「沖崎君に誘われてね。こういった場に一人で来るのは照れ臭いって、僕を誘ってくれたんだよ。
僕も日本文化には興味があったけれど、なかなか観る機会が無かったからね、招待頂いて嬉しかった。どうもありがとう。君の踊りは素晴らしかったよ。」
先輩の名前が出た事に胸が締め付けられるように苦しくなった。



