「優華…好きだ。俺だけを見て…」
そのまま唇を重ねてくる先輩に、更に驚いて体を硬くしてしまう。
反射的に身を捩って逃れようとしたのは嫌だったからではなく怖かったから…。
この間みたいな重ねるだけの優しいキスじゃなかった。
抗った弾みで僅かに開いた唇の間から舌を滑りこませてくると、激しく貪るように何度も絡めてきた。
経験したことの無い感覚が怖くて、思わず身を震わせて体を剥がそうともがいてしまう。
「やっ…せんぱ…」
あたしの声が届いたのか、先輩はハッとしたように唇を離した。
気まずい顔をしたけれど、あたしから視線を外す事はしなかった。
「優華、今言った事は本当だ。俺はおまえに惚れている。おまえが好きだ」



