【長編】FOUR SEASONS

「…っ、先輩？何…？」

真剣な顔で鼻先５ｃｍくらいの近い距離であたしを覗き込んでくる。

「すげ～嫉妬した…優華の踊りに…。」

何を言われたのか分からなかった

「踊りを見て優華が誰かに嫉妬しているのが分かった。優華を嫉妬させるくらい優華が想っている奴って誰？優華が好きな奴って誰だよ。」

先輩の意外な言葉に、声もでない。

あたしの好きなのは先輩なのに、先輩の好きな人に嫉妬してるなんて言える訳ない。

心臓がヒートアップして、もういつ倒れてもおかしくないくらいにビートを打っている。

もう絶対に先輩に聞こえていると思う。

先輩の言葉に答える為に言い訳を考えていると、先輩が更に顔を近づけた。

唇が触れそうな距離で先輩の唇が動いたのが分かったけれど、あんまりビックリしたせいで何を言われたのか、すぐには理解できなかった。