カツーン!

天高く舞った石ころは野良犬に命中した。
ゴン!!
ギャン!
ウーッ!

僕は必死に睨んだ!

母ちゃんがよく言ってたからだ。野良犬に出くわしたら目をそらすなって…

ウーッワン!
犬が襲いかかってきた!
ぅそっ!!母ちゃん!襲ってきてるじゃん!噛まれるっ!!

僕はキツく目を瞑った…痛いよ…





あれ、痛くないぞ?

恐る恐る目を開けるとそこには、水玉模様の傘を持った少女が立っていた。
『シッシッ!こないでっ!』
追い払らおうと傘で地面を叩いている。

キャン!と吠えながら逃げて行く野良犬…なんか見ていない…どうでもいい…

「大丈夫?」


綺麗な声…可愛らしいくりくりとした瞳…女神のような笑顔…じゃなくて女神さま本人なのかと思った。

「キミ、大丈夫なの?」と女の子が言う。

しばらく、彼女に見とれていたらしい。
慌てて返事をする。
『大丈夫だよ…けど…』

「けど?」

『もっちゃったみたい…』




コレが僕と彼女の最悪の出逢い方だった…。