「誠也……」 「春花、お前が思うやり方でいい。お前馬鹿だけど、本当は真っ直ぐな奴だから、行ってこい」 愛おしそうに誠也があたしを見るのは、きっとあたしが誠也にとっての妹や姉のような存在だから。 「病院、出てっていいの?」 いつも絶対にここから出すことを許さない誠也。 「いいよ、残りの時間、好きに使え」 「でも、ここに帰ってくるね」 少しだけ、笑えたかな? 「あんだけ病院嫌いだったのに?」 「病院は嫌いだけど、誠也から離れちゃ心配なんでしょ?」 「ハハ、妹だもんな、春花は」