「ちっ、春花ちゃん。俺悪いけどキミに興味ない」
好きとも言ってない相手にフラれていろんな意味で顔が赤くなる。
「あたしだって興味ないのにー」
「アハハハハ」
「春花、病院行くぞ」
あたしの腕を引っ張る礼に釣られて立ち上がる。
「あわっ、待って」
背の高い礼にもはや持ち上げられるあたしは足をバタバタする。
「ってかどうなったの?」
その辺のことはよくわからないけど。やっぱり額の礼の赤いかすり傷と拳についた血を見ていたら怖くなる。
「…血」
礼、何があったの?
何をしてきたの?
数時間前のその瞳に何が映ってたの?
「礼、無事でいてくれてありがとう」
気付けば泣いていて
気付けば抱き上げられたまま礼の首に手を回していた。


