慣れた手つきでタバコを取り出す藍ちゃん。
「タバコもやめなよ」
ソファで胡座をかく藍ちゃんに言う。
「これね、BEVELっていうの」
藍ちゃんはタバコの箱を指指す。
「銘柄?」
「うん、この匂い、超好き」
たしかに箱にはBEVELと入っていた。
「ふーん」
「で、嫉妬しないの?」
いきなり話が戻って脳が焦る。
「あ、うん。嫉妬はしないよ。確かに、梨花さんに会ったときは、こんな綺麗な人とも付き合ってたんだって思ったけど。でも礼、あたしをここに連れてきてくれた」
「それ、嬉しいの?」
BEVELの匂いを嗅ぐように目をつむる藍ちゃん。
「うん、だって礼とあたしってまだ出会って5日しか経たないんだよ?なのに礼はあたしを好きっていってくれて、しかも大切な場所に連れてってくれたら、それって運命みたいじゃない?」


