「…んな顔と喧嘩腰だけのヤンキーのどこがそんなにいいんだよ」
医者の言った無意識な独り言は確かに聞こえた。
そのまま通り過ぎる車をぼーっと見ていた。
あの医者と春花はどんな関係なんだろう。
嫌いか好きの感情は別としても"親しい"には違いなかった。
そして医者の独り言は間違いない今いない春花に向けてのものだ。
時刻は午後の4時をまわっていた。
ブーブーブーブー
ケータイのバイブが鳴ってそれに出ると聞き慣れた声が響いた。
「礼、あんた何してんだよ、くそ野郎っ。女遊びはいいけど仕事はさぼんな。早く来い」
藍がご立腹モードに突入していた。


