「礼、今日も暴れたねぇ」

化粧が濃くて派手なこの裏街によく似合った女がバイクに跨がり言った。

他人事のような言いようだ。

「お前もな」

この女は俺の女の一人ではなく、仲間といったら正しいか、相棒というべきか。

タバコを投げて遠くのパトカーの音が近づかないうちにと足速にバイクを走らせる。