だから俺は分かってる。
美葉が死ぬほど努力してることを。
「美葉は、強ぇよ」
昔からこの言葉を何回口にしただろう。
「礼、てめぇの敵はてめぇで討ちたいから、礼は“武舞”のことには世話焼かなくていい」
「あぁ」
俺は泣いてるのを必死に隠そうとする美葉に、ある人の話しをしたくなった。
「俺さ、最近思うんだ。俺等は馬鹿みてぇに喧嘩に命賭けてるけど、生きるのに命賭るしかねぇ奴もいるんだって。なのに俺等は当たり前みたいにたくさんの奴を病院送りにしてんだなぁって」
「アハハ、礼、どうしたの?あんなに病院どころか半殺しにしてた奴が」


