「俺には春花のことも病気のこともさっぱり分かんねぇ。強くなったところでどうにもならないのかもしれないけど、春花…お前、強く生きろよ」
「………礼、ありがとう」
流す筈のなかった涙を拭って、礼の背中に手を回した。
「は、春花?」
「安心するっ」
「…春花可愛い」
タバコの匂いと、香水の匂い、そしてちょっと酒臭い礼の香りは、落ち着かせて、また安心させてくれた。
「チューしていい?」
ふざけ半分の礼の頬にキスをした。
「馬鹿」
「お前の方が馬鹿」
「…んっ…」
礼に長いキスをされた。
「……んん…」
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