「……ひっく…ふ…ぇん…ひっく」
人前で泣くなんてありえないのに
泣き顔をさらすなんてしたくないハズなのに
体は動かないし、涙も止まらなかった。
目を閉じながらも、マイルドセブンの香りと体温を感じた。
感覚なくなるくらい引っ切りなしに泣いてるのに
それはわかった。
「……ヒック…ふぇ…ヒック」
「…なんで泣くの」
礼の声に目を開ければ礼のピアスがすぐ隣にあった。
「…あた…しは、…もぉ…生きら…れない。あたしは、死ぬの。……死ぬの…が怖い」
背中にはあたしがちゃんと立っている理由がある。
礼の日焼けした筋肉質の腕に支えられてる。
シャツをギュッと掴んで上を見上げる。


