「太陽は、泣くんだって」 「え?」 礼は真面目な顔で言った。 「太陽は、笑ってるんじゃないんだって。笑ってるからキラキラしてるんじゃねぇんだ。泣いてるから、光ってるんだ」 「意味わかんない」 「だから、太陽は泣いてるからこそ、綺麗なんだって」 さっぱり、分からない。 礼という単純、単細胞だと思ってた男のことが分からない。 「だからさ、太陽は笑ってるだけの馬鹿でもないんだ。きっと。」 礼は何を知っているの? 何を想っているの? あたしはドクンドクンと心臓が脈打つのを体感した。