「春花、具合はどう?」
カッコよくて優しい医者と、可愛い清楚なお嬢さん。
恋人だとしたら、本当にいいカップルだとおもう。
「どうもなにもないでしょ」
「春花は大丈夫。助かるよ、俺が助ける」
優しく、甘い。
普通の女ならきっとイチコロ。
「いくらあんたでも、いくら天才でも、無理なの。あんたと同じように大学で勉強したから、それくらいは自分でも分かる。こんな症例のない得体の知れない病気は治すすべがない」
大学…?
得体の知れない病気…?
治らない……?
俺の頭ではそれらを一変に理解するのはむりだった。


