「バイク、乗りたい」
「じゃあ医者にOK貰ってからにしよう」
「ダメって言われる」
「じゃあダメだろ」
見たところ普通で
少し痩せ気味なだけで
病気なんて嘘みたいだ。
「春花ー」
明るくて軽快な声の主は、白衣を着たイケメンだった。
カッコイイ顔を緩ませて笑っていた彼だけど
俺を見るなり歪んでいく。
「誰」
医者?
こんなチャラチャラしたのが医者でいいのかと思う。
白衣を着崩してまるでホストだ。
「あたしの友達」
タメ口で馴れた口調で話す春花とこの医者は親しいんだろう。
恋人だとしたらよく似合った、美男美女のカップルだ。
だけど嬉しそうに春花を見る医者に対し、春花はあまりいい顔をしない。


