病院の広い庭に出て、あたしは礼の安定した背中から降りた。

息の詰まる建物の空気とは違って、広くて大きな空が一面に広がってる。

昔からあたしは空が好きで、それを覆い隠す雲は嫌いだった。

空の下を3歩だけでも歩いてみる。ただそれだけでもいつも病院のベッドで寝てるあたしには幸せだった。

「へへへ、ありがとう。あたしは散歩好きなんだ」
「さっき俺が散歩って言ったらバカにしただろ」