でも、あと一日というところまで

あたしの死期は来ていた。

「春花」

「ん?」

「お前さ、家族に会わねぇの?」

そう言ったのは礼。

まだ分からないの?

あたしなんかにわざわざ会いに来ないよ、お母さんもお父さんもお姉ちゃんも。

「いいの。礼達が来てくれるだけで充分」

「春花、友達とかには、ここ知らせてないの?」

「ん、大切な友達には知らせてない。だけど来てほしい大体の人には来て貰ったし、無理なら会いに行った」

「意味分かんない」

藍ちゃんはそう言ってタバコをくわえた。