「これ笑ってるの。礼…この前まで、ずっとあたしを好きで居てって思ってたけど、やっぱりそんなの違う」

「春花?」

「……礼は、まだいろんな幸せが待ってる。まだまだ、これから、素敵な人に出会う。…あたしを愛してくれるのは分かるけど……もっと愛せる人が、この先、居るんだよ」

「そんなことねぇだろ」

「礼…、前に進んで」

「春花っ、俺はお前とずっと一緒だ」

「だから礼は馬鹿なんだよ……」

あたしはもう、何言ってるのかよく分からないくらいの鼻声だった。

「永遠の愛なんて、ないの。…ねぇ、礼。運命なんて、ないのよ?…あるとすればそれは、何万個もの可能性が選んだ、偶然の一つ」

いつか、誰かから聞いた言葉。