「そっからなの。うちの家庭が崩壊したのは。……結局なんか父親は愛人作って、母親と離婚した。あたし達は母親に引き取られた。母親はパートで働いても前の二十分の一くらいの収入で、元々金遣いの荒い母親だし、お姉ちゃんとあたしを両方育てるのは結局無理になっちゃったの」 「あぁ」 時々聞こえる無愛想な相槌があたしは好きだった。 「あたしは、どうしてだろう、なんか、それ分かってたから、家出てったの。中学生の時かな、彼氏の家に転がり込んだの」