「あたしの病気は、治ることもなければ悪化することもない」
ゆっくりと、春花は口を開く。
「あたしね二卵性双子の片方なの。双子にしか有り得ない病気。双子の片方がかかる病気」
春花は背を向けて話しを続けた。
「あたしの母親がね、あたしとお姉ちゃんを産んですぐ、死んだの。……そして誠也しか分からないけど、お母さんの病気のためにあたしとお姉ちゃんのどちらかにお母さんの病気が新しくなった不治の病がかかっていることがわかった」
春花は背を向けたまま壁にもたれた。
「選ばれたのは………お姉ちゃんだった。生きるために神様から選ばれたのは、一時間生まれが早い、お姉ちゃんだった」


