「礼、剣二くん、藍ちゃん。話しておくね」
春花は苦笑いして、話しを始めた。
藍や剣二も真剣に聞くのは
ほんの数回しか会ってないし
長い付き合いでもない知り合いのに
それでも春花の見舞いに来て
春花の無事を祈るのは
春花に幻想的な魅力があるせいだと思う。
普通に考えれば
春花はただの綺麗な女。
でも俺達には違うように見える
綺麗であって不思議なんだ
存在そのものが。
この世のものに見えない絶世の美女
そんなことが言いたいんじゃないんだ。
普通の美少女で普通に可愛いくて……闇を抱えてる。
何も話さずに
ただひとり春花は生きてきた。


