「えっ、いいよ。はずかしい」 「お前、病院の外行きたいんだろう?」 「…うん」 優しく包み込むような視線にドクンと体中の脈が鳴ったのは今でも覚えてる。 「速く、あの看護師来ちゃうじゃん」 タバコの臭いと香水の匂いが混じる背中に体を預けた。 「ねぇ、あたしに興味持ったの?」 二階の窓から 余裕とでも言うように桐谷礼の体は安定しててあたしになんの支障もなく着地した。 「ねぇ、桐谷礼」 多分名前を知っていることに驚いたんだろう、彼は振り返った。