病室にはちゃんと春花が居て、それだけで俺は安心する。 「礼、大丈夫?」 「顔、傷っ」 不安げな顔をする春花を思わず抱きしめる。 「ん、苦しい」 「長かった。今日が長かった」 「なにそれ」 「春花に会いたかった」 春花の顔を見るだけで 痛みなんて忘れていられる。 「あたしも」 少し上目使いで、唇を半分開けて、俺を真っ直ぐ見つめる春花。 「誘ってんだろ」 「違うよ、やっぱ礼はカッコイイ」 「マジでやめろよ、理性ぶっ飛ぶし。藍と剣二来てる」 「本当?会いたい」