「じゃあ、いこっ」 息の詰まる病院を抜け出して外に出たかった。 やっぱりあたしは桐谷礼のいうとおり病人なんだ。 それにいままで抜け出す元気も勇気もなかったけど、なんでも出来ると確信した彼の背中ではあたしも大きくなれた。 「どうやって抜け出すの」 「……窓から」 少し考えて出したのはいかにも彼らしかった。 「ここ二階だよ?」 「おぶってやるから」