「あたし、生みたいのに。なのに、礼の特別はあたしじゃないじゃん」 「………」 「そんなの、生めないじゃん」 「……ごめん。一発殴れ」 俺はそれしか言えなくて ただ美葉の泣き顔を見つめた。 「…もういい。うん、全然。もういいから、マジで。すっきりしたし、じゃあ、あたし帰る。ちょっと怒鳴り過ぎて頭痛い」 「美葉、お前待てよ」 春斗はボールを床に放って美葉の腕を掴む。