「馬鹿は喧嘩に集中しろ」 油断したのか、俺の頬に春斗の鍛えられた拳が当たる。 「お前も馬鹿だろうが」 春斗に俺の拳が当たる。 「やっぱ、お前強ぇ」 「秀さん程じゃねぇ」 「あいつは化け物だから」 春斗は少しも変わらない。 一ヶ月前、倉庫裏で変な発言を残し、消えた時とも違う。 少し前馬鹿騒ぎしてた時の、何時も通りの春斗だ。 俺は少し前の事なのに妙な懐かしさを感じた。 それと同時にざらついたモヤモヤがあった。