「そう」
藍は無表情。
俺は最近思う。人の感情はすべてが喜怒哀楽とはかぎらないと。
だって、"無"があるから。
藍は怒りでも哀しみでもなく、無だ。
きっとそれはどちらかの感情の成れの果てなのかもしれない。
感情が強すぎて、そうなったのかもしれない。
藍は春斗を愛していた。
恋愛物語はハッピーエンドでエンドレスだ。
けど、その先はとても残酷なものかもしれない。
どんな恋愛もそれが"終わり"とは限らない。
生きている限り。
それでも死んだらそれが二人の永遠の終わりなんだろうか。
俺と春花は七日後に迎えるんだろうか。


