「ちょっと家で待ってて?」 「うん、勝ってよね」 春斗と綺麗な女。 シャープな顔で黒髪の美人。 藍とは真逆だ。 「あぁ」 春斗の彼女。 その位置を楽しむようにその女は不敵に笑う。 「馬鹿じゃねぇの」 藍の呟きは黒い煙となって消えた。 「礼、俺はアイツと未来を歩く」 春斗の言葉は間違えなく藍に向けてのもので 藍の表情を見ることは出来なかった。 「未来か」 そのキーワードは一番聞きたくなかった。