好きだと言って。



後ろからする男の子の声と、中年男の「うゎっ…」という小さな声。


それと同時にあたしの体にあったぞわぞわした感覚はなくなっていった。

恐る恐る後ろを振り返ると


「………心?」

中年男の腕をギリギリと掴んだ心がいた。

「…どう、してっ?」

「大丈夫か?美優。次の駅でこいつ突き出すから」

「…うん」

「美優も話聞かせてやるために一緒に降りよう。…な?」

昨日と違ってすごく優しい心に
あたしはなぜか安心して涙が止まらなかった。


「こ、怖かった…も、あた、あたしっ」

「大丈夫だから」


心は次の駅まであたしの傍を離れないでくれた。