「はぁ…はぁっ…」 ひどいよ、長谷川は。 こんな山道を、女の子に走らせるんだもん。 「……っ、ばかぁ」 涙で上手く喋れない。 でも走り続けた。 さっき、木の枝が腕に刺さったから、少し血が出た。 でも、そんなの気にしてられなかった。 今は長谷川を見つけなきゃ……。