私は、ずっと待っていた。 けれど、長谷川が来る気配はなかった。 そんなとき、一通のメールが届いた。 〔ごめん、ユウリ。 本当は、引っ越すのは昨日でした。 わざと嘘をつきました。 本当にごめんなさい。 でも、俺の代わりにやってもらいたいことがあります。それは…〕 「……っ」 涙が溢れてきた。 嘘をつかれたことに? デート、すっぽかされたことに? 違う、違うの。 心の中、ぽっかり穴が空いたみたいに… なぜか悲しいの……。