「待って待って!良(ハジメ)ちゃんてば」
「なによ!」
「呆れちゃう!?俺こんなへたれだから…!」
「何なのよ…!」
酷いなあ。と呟いて、絶賛荷物もち中の俺は良ちゃんの後ろを追いかける。
一つ年上の良ちゃんは俺の彼女さん。
性格はひとことで言うとツンデレさん。
「良ちゃーん」
「…はあ」
「なんでため息!?」
学校の廊下の曲がり角。
高校二年生の俺は三年生の良ちゃんを三階の教室まで迎えにいったのだ。
「…俺のこと嫌いになった?」
「なっ…、」
「な?」
「…………なるわけないでしょ」
クリーム色のマフラーを巻いた良ちゃんの顔が真っ赤になって、ぷい、と顔を背けられてしまった。
うーわー
あーもう、やられた。本当駄目。その顔は反則。
「…ちょ、ひぁっ」
小さな悲鳴を上げた良ちゃんを階段の隅っこにおいやって、唇を塞ぐ。
「…っ、んん」
可愛いすぎるだろ。
俺のキスに一生懸命になる良ちゃんを見てまたそそられて、本当に止まらなくな
りそうになる。
…やば、
「っ、烈…!」
ぐいぐいと俺を押し返してきるか弱い力に仕方なく従うことにして。
「ごめん、でも良ちゃんが可愛いすぎるのが悪い」
「ばか!」
「はいはい。」
「好きだよ、良ちゃん」
「…~っ、もうこれも持ってよね!」
「わっ!!重っ!?」
――つんでれとはなんだ
「見ちゃったよ優くん!」「あー。うん。そうだね」
「ちゅーしてたよさっき!生ちゅーはじめて見ちゃった…!」
「憂、もういいから行くぞ」
「……はあい」

