「間に合った」 ふぅとゆっくり息を吐くこの人のことは、 信じていい―――いや、信じてみたいと思った。 喫茶店の席につくと、男性は 「アイスティー2つとプリン2つ」 と注文した。 「冬なのに、アイスティー…ですか?」 「質問はそれでいい?」 「?」 「俺、質問には1日1つしか答えないから」 そんなこと急に言われてちょっと焦った。 焦ったから、 少しの沈黙のあと 「じゃあ名前教えて下さい」 と、私は自分でもよく分からないことを言った。