海斗は、必死の形相で手を引っ張る母の顔を見つめた。



海斗には今の母の姿に見覚えがある。



交通事故で両親を亡くした悠也と桜を引き取ると必死になっていた時の母と同じだった。



昔から悠也の両親と仲が良かった母にとって悠也と桜を自分の子供のように思っていた母を知っている海斗は、必死になって桜の心配する母の気持ちは痛いほど分かる。



そして、今の母の姿を見た海斗に一つの決意が生まれた。