2人が離れたとき、美紗子はどこから出たのか自分でもわからない笑顔を見せた。

そして

美『すごーい!!濃いっ!』

と言った。

本当は

美『見たくなかったのに。』

と言いたかった。

言いそうになってしまった。

その瞬間、毅の携帯が鳴った。

音楽が大音量で響き、音楽で誰からの着信かわかっているらしく気まずそうな顔をして部屋を出た。

それから毅が戻るまでどれくらいたっただろうか。

30分、45分、いや1時間。

3人は話をしながら飲み続けた。

そのうち百合がパタッと寝てしまった。

外は雨で今は3月。

部屋は暖房がきいていたが、夜はやはり冷える。

風邪をひくといけないのでコートをかけておいた。

そしてやっと毅が戻ってきた。

竜『大丈夫か?』

毅『ん、大丈夫。』

美『何かあったの?』

毅『ん、大丈夫。あ、百合ちゃん寝ちゃったんだね。静かにしなきゃ。』

そう話をはぐらかされた。

時間は夜中の2時。

”こんな夜中に誰と何話してたんだろう・・”

美紗子は女の人だろうと直感で感じた。

そしてこの一目惚れから始まった恋に終止符を打つようにしようと改めて思った。

出会ってまだ2日。

2日とはいえこんな大きくなってしまったこの想いを打ち切る。

そうしないと多分もっときつくなってしまう。

悲しい決断をした。