「桐生怜二、今頃どうしてるのかねえ」 その名前を聞いた瞬間、げほげほと咽てしまった俺を、橘が不審そうに見た。 「…さあ。まだ、傷が良くならないんじゃないですか」 「もう半年になるだろう。あれから何の情報も出してこないとはな。実は、あの怪我が元で死んだんじゃないか、とまで言われてるらしいぜ」 「それはないでしょう」 「けどま、急ぐにこしたことはないな。折角、次回作でもイイ役取れたっつうのに、代役も発表されちまったし」 橘は、小さく肩を竦めながらデスクへと戻っていった。