変態、もとい桐生は、小さく肩を竦めながら、「お人好しの集まりだな」と呟いたのをわたしは聞き逃さなかった。
これが、ハリウッドセレブ!
「ふふ、仲良くなれそうで安心したわ。それで、どうかしら?」
きらきらと目を輝かせる薫子さんに、ひくりと口元があがる。ああ、いつもの悪い癖。
「シュウちゃんが、27歳でしょ。怜二君が、28歳」
「残念ながら、変態は好みじゃないです」
「それはこっちの台詞だ!」
瞬時に、言葉を被せられて苛々する。薫子さんの"お見合い癖"にも困ったものだ。
美しく、はた迷惑な隣人は、おそらく厄介ごとしか持ってこないのは目に見えている。
事実は小説より奇なりとは、本当によく言ったものである。