「…Ms,Kaoruko's apartment house」 流暢な英語だった。自然と漏れる言語が英語だなんて、外国からの旅行者か? それを最後に、いくら問いかけても彼女はなんの反応も示さなくなってしまった。すうすうと気持ち良さそうな寝息が漏れるだけ。 「ミス、カオルコズ、アパートメントハウス」 ぽん、と芹生がシュウの肩に手を置く。 「…なんてこったい」 完全に厄介ごとに巻き込まれたと、シュウは露骨に嫌な顔をした。