Paradise Jack


芹生は、特に気にすることなく彼女の前にショットを差し出す。

ライムを齧り、塩を少し舐め、一気に飲み干す。


「すごくセクシー」


遠慮なく彼女を観察して、シュウがニヤリと笑って俺に耳打ちをしてきた。


「…おかわり」


つぶやかれる短い言葉。

芹生は、冷静に彼女を見ながら、注文どおりにもう一杯ショットをつくる。


アルコール度数40のお酒を、顔色ひとつ変えずにたんたんと注文し続ける。さすがに途中で芹生が一度声をかけた。


「お客様、大丈夫ですか?」

「…なにが」

「強いお酒ですから。あまり一度に呑まれますと」