トオルくんと会ってから数週間経った。
「今日はイヤな天気だね」
お兄ちゃんが朝ごはんのお味噌汁を飲みながら、窓の外を見ている。
そうだ、とお兄ちゃんが思い出したように振り向いた。
「亜季今日休みだよね?
一人でいい子にしてるんだよ? ちゃんと家で待ってるんだよ?」
あたしの目をジッと見てきて言ってくる。うん、と頷くとお兄ちゃんは笑顔になった。
優しい笑顔。
あたしを大事にしてくれるお兄ちゃんの笑顔。
――なのに、最近何だか怖く感じるのは何故だろう?
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