「!!!!!アアアアアア~~~~~わ~~す~~れ~~て~~た~~~!!」
派手な叫び声を上げたのはレリン。ディースは冷静に、騒ぎ立てる彼女の口をふさぐ。



「見つかったら、怒られます。次はそう簡単に逃げれないですよ!?」
ぽつりと捕まえた彼女につぶやくディース。レリンはそんな彼を軽く睨んでから彼の腕をバシバシと遠慮なく叩き、゛わかったから離しなさい″と訴える。


大きく、盛大に溜息をつきながら、ディースは首を振る。

「自分の誕生日くらい覚えといてよね……」


「すみません……すっかり忘れていました。」
レリンを離したのと同時にディースが謝る。


「別にディースが謝ることはないよ。本人が忘れていたんだ、君が覚えていなくて無理はない……
というか君の役目はお転婆娘の護衛…というかお守りだろ?いつから執事みたいな仕事やらされてるんだよ………」


………はて?俺の仕事は護衛だけだっけ??
 そういえばそうゆう気がする……


イアンは、真剣な顔で首を傾げる生真面目男と自分を鋭い視線で射てくるまだまだ成長していない妹を眺めながら苦笑をもらす。


「イアァーーーン!!お転婆娘というのは誰の事かしら??それに私にはお守りは必要ありません//// 」


「……お転婆娘が自分のことだってよ~くわかっているじゃないか。ディース、こんな妹だけど愛想をつかさないでやってくれよ」

イアンは不敵な笑みをこぼしながらディースの肩を軽く叩いて歩き始めた。