妙に冷静な自分がいる。
それに、この先に待っていることはもっと驚くような気がするし。
今から驚いていたんじゃ、体が持たない。
さすがに、5回目になると、お母さんの急な提案にも慣れるよなあ…
最初はやっぱり驚くけど、よく考えてみればいつものことだよね。
確か、1回目と3回目は急な引っ越しだった。
1回目は小3の時で、このときは家族全員酷い目にあった。
あたしと弟は小学校を転向、お父さんに至っては、近くに転勤出来るように頼めとかまったく理不尽なことをいって、結局しばらくの間お父さんは単身赴任をしていた。
2回目は小6のときに、子犬を6匹つれてきて、[うちで飼うわよ!]と言い出した。
でも飽き性のお母さんはすぐに育てるのをやめ、結局はあたしたちに任せっきり。
余談だけど、半分はもう死んでしまったが、3匹はまだ残っていて、弟が育てていたりする。
3回目は中2のときに、あたしから見たおじさん、つまりお母さんのお兄さんがアメリカに行くということで、前の家より広いおじさんの家、つまり一時間前までの我が家に引っ越した。
4回目は高校受験の時。
あたしは家から一番近い高校にするつもりだったのに[レベルがほんの少しだけ上だから、こっちにしなさい]と通学に1時間もかかる高校にされてしまった。
まあ、高校は楽しいけど。
いろいろあったなあ。
そんなことを頭の中で思い出している間にあたしは気持ちよくなって夢の世界へと旅立っていった。

