娘が夕食を食べ終わる頃、レオンが部屋に姿を現した。



ひらひらしたドレスシャツに、細いリボンタイ、長い脚を包み込むズボン姿は優雅で、その姿に娘は呆然と口を聞けないでいた。



「娘、……いや、ケイティだな?」



「え……」



レオンの言葉にあっけにとられたようにポカンと口を開けている。



「どうして……?」



我に返ったケイティが言う。



「調べるのはわけない」



ケイティは突然、にっこり笑みを浮かべた。



「それはわけがあるからですよね?」


「わけ?」


レオンが無表情で聞く。



「だって、レオン様はヴァンパイアですもの」



ケイティはレオンに近づきすぎるほど近づいてじっと黒い瞳で見つめる。