新しい教室に行って まず初めに目に入ったのは ニヤけた愈だった。 愈は、その時点から 彼氏と別れて、また彼のことを好きになると気づいていたのだろう。 それも以前の一目惚れとは違う形で。 一ヶ月後、 愈の思っていた通り 彼を好きになったのは言うまでもない。 彼は、以前、私が好きだった頃に思っていたような人ではなかった。 愈から聞いたことはあったのだが 甘い顔立ちからは想像もできなかったので 無謀な恋を諦めさせようと私に気遣って愈が嘘をついているのだと思っていた。