昼休みになった。
俺は翔吾の意見を聞かずに急いで購買に行き、昨日彼女に会った場所へ行った。
案の定いた。
昨日と違うのは音が漏れないようにイヤホンをしていた。
彼女は俺に気づくと一瞬気まずそうな顔をしたがすぐにゲームの画面へと目を落とした。

「あのさ...。」

聞こえていないのかあえて無視をしているのか彼女は反応しなかった。

「あのさ!!」

悪いと思ったけど気にせずイヤホンを無理矢理はずした。

「何?」

機嫌が悪そうな彼女。
でもめげずに

「俺、1年D組の日向光。お前は?」

「なんで見ず知らずのあなたに教えないといけないの?」

『華恋。』

ふと足元から男の声がした。
足元をみるとイヤホンが外れたゲーム機の中に男の人が映っていた。

「華恋っていうのか?」

彼女はしょうがないというような様子で

「そうよ。結城華恋(ゆうきかれん)よ。」

「そっかそっか!クラスは?」

「そこまで言わないんだから!!」

怒ったような口調で言った。

「単刀直入に言うけど俺、お前が好きになった。」

「は?」

「だから好きだ!」

「何言ってんの?会ってから日も経ってない人と。」

「日なんて関係ないだろっ!
 それに華恋の趣味も理解できるし、それに...」

「ふざけないでっ!!!!!!!!」

本当に怒った様子で俺を睨む華恋。

「あなたに私の趣味が理解できる!? 
 今までにそんなこと言った人みたの!
 でもみんな私の周りからいなくなっていった...。」

泣きながら言った。
そして落ち着きを取り戻し、

「あなたの告白は受け取れない。 
 そしてあなたに会うのはこれで最後。 
 さようなら。」

こうして華恋は去っていった。